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院長コラム「魚をたべて蕁麻疹が出たら、魚アレルギーか?』

「魚を食べて蕁麻疹が出た場合、すべがアレルギーとは言えない」

 

集団保育の増加に伴い、低年齢のうちから給食などの集団調理された食事を摂食する機会が増えており、「魚を食べて蕁麻疹が出た」という相談が目立つようになってきました。しかし、例えば、自宅では摂取できているということが判明することが少なくありません。このような例では、子どもではヒスタミン食中毒を考える必要があります。

 ヒスタミン食中毒とは、ヒスタミンを含む魚などの食品の過剰摂取により蕁麻疹などの症状が出る食中毒のことを言います。マグロなどの筋組織に含まれるヒスチジンが、腐敗細菌などの微生物などによりヒスタミンが産生されます。漁獲後から消費者へ届くまでの保存環境が不適切であるとヒスタミンが増加することになります。ヒスタミンは、加熱や冷凍処置しても変化しないため、加工品でも症状が発現しうることになります。ヒスタミン食中毒は、IgEを介していないため、血液検査では陰性と判断されます。ヒスチジンを含む魚は、マグロ、鯖、カジキ、ブリなどの赤身魚に多いとされています。

魚によるヒスタミン中毒は、同じ魚を食べても症状が出たり出なかったりする場合に考えられます。また、血液検査で陽性に出る場合は、アレルギーと考えられます。

いずれにせよ、ヒスタミン食中毒であっても、給食などで繰り返し症状が出る場合は、集団生活においては除去対応にすべきでしょう。

 令和3年8月26日 きのした小児科 院長

 

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