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起立性調節障害:ODについて

きのした小児科です。結局8月号はさぼってしまいました。ごめんなさい。さてさて、本題に入る前に、家のワンちゃんのお話をします。家には、「モモ」と言う名前のシェットランドシープドッグ(シェルティー)がいます。今まで、ゴールデンを過去3匹飼っていましたが、この15年間で3匹ともなくなってしまいました。大型犬は10年が寿命なのでしょうか、3匹ともほぼ10年位でなくなっていきました。ゴールデンは本当に、人間が大好きで人懐っこい頭の良い犬ですが、シェルティーは、どうも我々と一定の距離を持ってなついてきます。モモちゃんをみていると、なついてはくれますが、ゴールデンほど、お腹を見せたりして、すり寄ってきたり、無警戒になることはなく、淡々とした感じがあります。頭が良いようで、用心深いです。犬の種類によってこんなに性格が違うものかと思ってしまいます。モモちゃんは、噛んだり、人に「ウー」といったり、吠えたりすることはなく、番犬にもなりません。でも、家族のみんなからかわいがられながら、少し距離を保ちながらも家族を癒してくれる大切な存在です。中型犬なので長生きしてくれることを祈っています。そろそろ本題に入りましょう。  皆様もご経験があると思いますが、中学や高校で体育館などに集まっているときに、長い間立って話を聞いていると、ときどき「バタン」と倒れている人がいませんでしたか?それが、立ちくらみ(脳貧血)で起こる「起立性調節障害」と言われるものです。
起立性調節障害、別名、OD(オーディー)は、小学3-4年生頃から思春期に見られ、自律神経の乱れから起こる症状と考えられています。特徴としては、立ちくらみが主な症状で、その他、朝の寝起きが悪い、睡眠障害、車酔いをする、頭痛、手足の冷え、疲れやすいなどの症状も見られることがあります。自律神経というのは、そもそも頭で考えて自由にできる神経ではなく、自動的にからだを調節してくれる神経のことです。例えば、寝ている状態や、座った状態から急に立ったりすると、脳を流れている血液が重力によって下半身特に足に集まろうとします。そんなとき、自律神経が働いて、主に足やその他の血管を狭くしたり、心臓から脳へ行く血液を増やすために心拍数を増やしたりして、なんとか脳から血液が減るのを防ぐ働きをしようとします。しかし、この自律神経が乱れているとうまく調節が利かなくて、脳を流れている血液の量が減少し、酸素量が足りなくなってしまいます。そうなると、頭がぼーっとして倒れてしまうことになります。これは貧血がなくても起こりうる現象です。今までの調査では、このような症状は、中学生や高校生の女子に多いようです。しかし、大人になっていくと次第になくなっていくようです。
起立性調節障害はいかに示すタイプがあります。

1)起立直後性低血圧:起立直後に一過性の低血圧と頻脈をみとめます。
2)体位性頻脈症候群:起立時の頻脈、ふらつき、倦怠感、頭痛などが見られます。
3)神経調節性失神:起立中に突然に血圧が下がり失神してしまいます。
4)遷延性起立性低血圧:起立直後の血圧は性状ですが、起立数分以降に徐々に血圧が下がります。

これらは、病院で調べることができます。
さて、治療ですが、子どもは不安がっていますので、一時的なものであること、その機序をしっかりと説明します。日常生活にあまり支障のない軽少な方は、日常生活の指導、予防法だけで様子を見ます。

1)起立時にはいきなり立ったりしないで、ゆっくり起立すること。起立中に足踏みしたり、足をクロスさせたり、足の親指に力を入れたりします。起立中に少し気分が悪くなってきたら早めに座ります。学校の先生にも事情を話しておいた方が良いでしょう。
2)なるべく規則正しい生活をしましょう。特に夜更かしなどしないようにします。朝の早起きは、難しいかもしれませんが、十分睡眠を取るようにしましょう。
3)お風呂上がりに立ちくらみ起こしやすい場合がありますので、このような方は、あがる前に膝から下に、水をかけましょう。(血管が縮まってふらつきが予防できる)

薬物療法

生活に支障が出るような方には、血圧が下がるのをくい止める薬、血圧をあげる薬などを処方します。
最後になりますが、不登校や心身症などと診断されている方に、起立性調節障害を合併している場合も結構あるようです。
以上、起立性低血圧症(OD)について説明しましたが、心当たりのある方は当医院までご相談ください。

平成20年9月 きのした小児科 院長
院長コラム
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