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虫さされ

この季節になると、肌を露出する機会が増え、いろいろな虫に刺されることが増えてきます。今回、皮膚炎を起こす頻度の高い毛虫類、蚊、ハチの「虫さされに」ついて少し勉強してみましょう。

毛虫類(チャドクガやその幼虫、イラガなど)

6月から9月にかけてよく見られます。これらの細かいトゲが皮膚に刺さり、じんましんのような小さなぶつぶつが部分的にかたまって見られます。最初は、チカチカした感じですが、次第にぶつぶつができとてもかゆくなります。チャドクガの成虫は夜光によってきたり、その幼虫はサザンカや椿に、イラガはサクラ、カエデ、クスノキなどに住み着きます。まず、チカチカしてきたら、すぐにセロハンテープなどで、皮膚についているトゲ(見えませんが)を取り除き、局所を洗い流して冷やします。衣服についている場合があるので、衣服は着替えましょう。病院では抗ヒスタミン剤やステロイドの軟膏を処方します。

蚊(過去のニュースレターでも紹介)

「蚊」が人間やその他の動物によってくる第一の原因は「二酸化炭素:炭酸ガス」にあるようです。この「炭酸ガス」に誘われて「蚊」は25-35メートルも離れたところから飛んでくるらしいのです。また、汗の成分に含まれる「乳酸」の匂いも好きらしいのです。さらに、「O型」の血液型の人も好きらしいのです。「蚊」は、花の蜜や果汁、木の樹液などで生きているのですが、産卵を迎えた「メスの蚊」だけが栄養を補充するために「血」を吸うのです。「O型」が好まれる理由は赤血球の表面にある「O型の糖物質」が「花の蜜」と類似しているからなのだそうです。
子どもがよく「蚊」にさされやすいのは、子どもは新陳代謝が著しく、汗をかきやすく、皮膚での呼吸も盛んなため、乳酸や二酸化炭素を多くだしているからだと考えられます。また、子どもは皮膚が薄いため、「蚊」にさされると水ぶくれになったり大人より大きく腫れあがる傾向にあります。虫さされの場合、即時型(症状がすぐでる)と遅延型(1-2日後に症状が出る)とがあり、乳児は主に後者の方が多いようです。大人はほとんどが即時型です。
その他の「蚊」の特性として「シマ蚊:やぶ蚊」は光に関係なく行動するようですが、「アカイエカ」は、薄暗いところを好むようです。色にも好みがあるようで、黒が一番好き(黒人はさされやすいようです)らしいのですが白は好みではないようです。
以上から「蚊」にさされないための工夫としては1)白い服を着る 2)下着などをこまめに着替える 3)汗を洗い流したりこまめにふく 4)明るいところにいれば「アカイエカ」には襲われない。5)虫除けスプレーなどの利用(ディートが入った虫除け剤は人体への害の可能性があるため6ヶ月未満は使わない)6)寝るときは「かや」をする。などでしょうか。治療ではステロイド剤の塗り薬が効果的です。

ハチ(アナフィラキシーに注意)

さされると、まず激しい痛みが出現し、赤く腫れます。初めてハチに刺された場合は通常1日くらいで治ります。しかし2回目以降は、ハチの毒によるアレルギー反応が加わり、じんましんが出たり、腫れの症状が長引きます。ひどい場合にはアナフィラキシー(呼吸困難、血圧低下、チアノーゼなどのショッック症状がでて緊急を要する)を起こす場合もあります。
とにかくハチに刺されないように、ハチにいたずらをしたり、ハチの巣に近づかないようにしましょう。刺された場合は、針が刺さっている場合は、皮膚から針を取り除きます。そして安全な場所で静かに横になって局所を冷やしてください。もし、気分が悪くなったり、じんましんがひどくなったり、顔色も悪くなったり、呼吸があらくなったりしたら大至急で救急車を呼びます。アナフィラキシーショックが考えられ病院での救急処置が必要です。これは刺されて30分以内に起こりますので、それ以上たっても局所以外の症状が出なければ心配いりません。アナフィラキシー以外の皮膚のみの症状の場合は、抗ヒスタミン剤やステロイド剤の塗り薬を処方することがあります、

平成20年7月7日 きのした小児科 院長
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