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予防接種の同時接種とその効果について

同時接種の安全性・副反応について

1.小さな赤ちゃんのからだ(免疫機能)に負担はかかりませんか。
これは世界中で心配されました。しかし子どもの免疫の力は弱いのですが、ワクチン10本を同時接種しても、免疫力の0.1%くらいしか使用しません。そして実際問題として、長い間世界中で使用されて問題が起こってないことが最大の証拠(エビデンス)です。

2.同時接種にすると、ワクチンの効果は減りませんか。同時接種で副反応が出やすくなったり、同時接種特有の副反応がでたりすることはありませんか。
同時接種によってワクチンの効果が減ることはありません。また混合ワクチンでは減らないように工夫されています。副反応が出やすくなったり特別な副反応が出たりすることもありません。

3.万が一、同時接種で重大な副反応がおこったらどうしたらよいですか。
接種後に重大な症状や病気が見られた場合、これを有害事象と呼びます。有害事象には、ワクチンによるものと、ワクチンによらないもの(ワクチンとは無関係なことがたまたま起こっただけ)があります。医学的には有害事象のほとんどがワクチンと無関係であることがわかっています。このようにワクチンによる重大な副反応が起こる確率は極めて低いのです。たとえ起こっても、ほとんどの場合、どのワクチンによるものか区別できません。しかし、ワクチンによる健康被害救済制度では、どのワクチンによるものかは問題になりません。安心して同時接種を受けてください。

同時接種の組み合わせについて

1.同時接種の組み合わせで悪いものや本数の制限はありますか。
組み合わせや本数に制限はありません。まず組み合わせでは、生ワクチン同士でも、不活化ワクチン同士でも、生ワクチンと不活化ワクチンとの組み合わせでも、接種年齢になっていれば可能です。また、定期接種ワクチン同士でも、任意接種ワクチン同士でも、また定期接種ワクチンと任意接種ワクチンの接種も可能です。当然、飲む生ワクチンと他の注射が必要ワクチン(不活化でも、生ワクチンでも)との組み合わせは問題ありません。接種の本数に関しても、制限はありません。欧米では生後2か月では6本のワクチンが同時接種されています。米国では、1歳の時に、インフルエンザワクチンまで含めて最大9種類のワクチンが同時に接種されることもあります。

2.ヒブワクチンと小児用肺炎球菌ワクチンの同時接種は安全ですか?
この2つのワクチンの組み合わせの同時接種は、世界ではごく一般的に行われています、これまでの世界中で行われてきた数多くの経験からも安全と言えます。
(1)定期接種のワクチンと任意接種のワクチン、(2)不活化ワクチンと生ワクチン、(3)生ワクチンと生ワクチン、(4)注射と飲むタイプのワクチン)
(1)~(4)のどの組み合わせでも、安全に同時接種ができます。

同時接種の実施について

1.体のどこの部分に接種するのですか。
今までは、腕の上の部分と下の部分に接種することで、左右合わせて4本可能でした。しかし世界では、1歳前後以下の子どもに対しては大腿部に接種されてきました。これの方が、接種場所も広いなど良い点が多いのです。日本政府だけは、このことを黙殺してきました。これに対して日本小児科学会は、2011年に大腿部への接種を積極的に勧める声明を出しております。大腿部接種を経験したママ達は、次の接種は大腿部を希望することがほとんどです。

2.同時接種は、どの医療機関でもできますか。
日本だけが同時接種の習慣がなかったので、組み合わせによっては、見合わせている医療機関や市長村があります。これは、厚労省の姿勢が「医師の判断で」なんて、消極的だからです。先進国としてとても情けないことです。そのうち、いくつもの同時接種が一般的になるでしょう。

当医院では、お母様方のお気持ちも考慮しながら接種したいと思います。

平成24年7月5日 きのした小児科クリニック 院長
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