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ロタウイルス胃腸炎にご注意を!

11月頃になると、軽症の嘔吐症や嘔吐下痢症(ノロウイルスなど)が流行し2月くらいまでこれが大半を占めます。しかし2月以降になると、重症化しやすいロタウイルス胃腸炎が流行してきます。4月頃まで続きます。

ロタウイルスによる嘔吐下痢症の症状

典型的には吐き気、下痢、熱の3症状ですが、最初は吐き気、それから熱と下痢が続く場合が多いです。吐き気や熱は2-3日でおさまりますが、下痢は5-7日続きます。潜伏期間は48時間くらいといわれています。
軽症の嘔吐症や下痢症は点滴せずに済んだり、2-3日で改善することが多いですが、このロタウイルスによる胃腸炎は重症で大半の人が脱水症を起こしやすく、時に熱のないケイレンを起こすことがあります。

ロタウイルス胃腸炎の治療

ロタウイルスは便の検査で5分くらいで分かります。ただしそうだとわかっても、特別な治療法はなく、吐き気どめや整腸剤、解熱剤などで対症療法をしてゆきます。
入る量よりも出てゆく量が多くなり、活気がなくなってくると脱水症が考えられ、点滴が必要になります。
下痢止めは、腸の動きを悪くしおなかが張ったり、治りを遅くすることがあるのであまり使われていません。

家庭での対処

吐き気がある時はチビチビと水分をやります。
なんとか、脱水症にならないように家庭では、以下のことに気をつけてください。

吐き始めたら

透明な液体(スポーツ飲料など)を20-30mlを15分ごとに少しずつ与えます。欲しがるだけやるとすぐ吐いてしまいます。でも、吐き気が止まるまで4-5時間はこのペースを守ってください。4-5時間吐かなかったら、好きなだけやってもかまいません。また、スープやおかゆや、リンゴのすりおろし、みそ汁なども与えてよいでしょう。しかし、嘔吐は2-3日ほど続きますので、吐いたらまた、最初のちびちびのみから始めます。
吐き気が完全にとまって下痢だけになったら:乳製品や油物以外はやってもかまわないでしょう。なるべく和食にしてください。とにかく下痢がひどいですので、水分はしっかりと与えてください。やると出るように感じられますが、脱水を防ぐためには水分を絶やさないことが大切です。水分は、ポカリスエットなどのスポーツ飲料やリンゴジュース、お茶なども良いでしょう。

脱水症やケイレン

この病気は、いきなり脱水症を起こすことがあります。午前中よくても、午後から入院ということがあるくらい急速に悪化することがあります。主に最初の2-3日は油断ができません。大量の下痢が立て続けに起これば数時間で脱水症になります。脱水の症状としては、ぼーっとして力がない、涙が出ない、口の中が乾いているなどです。早め早めに病院へかかってください。
もし、けいれんがおこったり意識がおかしくなったら、すぐ、救急車を呼んでください。ロタウイルスは脳にいたずらすることが知られていますので、、、

感染の予防

吐いたものや下痢の中にウイルスがいるため、それを処理したりした人の手から感染することがあります。ですから、保育園や家族内での広がりが多いようです。頻繁に手洗いをすることが大切です。消毒はアルコール消毒より次亜塩素酸ナトリウムによる消毒が効果的と言われていますが、きついにおいなどもあり、使い勝手が悪いですね。とにかく、手洗いをすることで間接的にうつすことも減らすように心がけましょう。

平成22年3月2日 きのした小児科 院長
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