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ウイルス性下痢に整腸剤は効果なし

小児のウイルス性胃腸炎の時に、良く、必ずと言っていいほど処方されている整腸剤ですが、効果は本当にあるのでしょうか?

下痢のときに下痢止めを使うことは良くないことは、最近多くの人に知られるようになりました。ウイルスや細菌を体に止めてしまう可能性、腸管の動きを止めることによる体への悪影響などがわかったため使われるのは控えるようになりました。それに変わって、現れたのが整腸剤です。腸内細菌のバランスを整える、などとの理由にて下痢止めの代わりとして今や君臨しています。しかし、最近の研究にて、ウイルス性腸炎の時に整腸剤を使った群と、そうでない群を比較したところ、整腸剤が有効であったという結論は出なかったのです。これは、カナダやアメリカなどの文献から発表されています。

下痢の時は、整腸剤が当たり前になっている医療現場。実際は無駄な薬を飲ませている可能性があることになります。

当医院では、吐き気止めや整腸剤はウイルス性胃腸炎では絶対に使いません。皆さんには、経口補水や食事療法だけを勧めており、特にお薬が必要になる方はいらっしゃいません。ただし、細菌性の下痢の時は抗生剤が必要になります。抗生剤を処方すると、腸内細菌叢が乱れてしまい善玉菌まで少なくなってしまいます。そこで、下痢のためではなく、抗生剤の弊害のために整腸剤を飲んでいただいています。胃腸炎以外でも抗生剤が必要な場合は、人によっては、整腸剤を飲む必要があります。

さて、皆さん、ウイルス性胃腸炎(嘔吐下痢症)などの治療で、当たり前になっている整腸剤を処方する昨今、医者がもっとその事実を知るべきだと考えています。下痢=整腸剤の時代はおそらく近々無くなって行くでしょう。そうなるべきです。

令和 元年 9月 6日 院長

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