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りんご病と妊婦さん

りんご病は、正式には「伝染性紅斑」または、「第五病」といわれ、パルボウイルス19によって感染して発症する病気です。70%が5-15歳の間に発症し、一年中みられますが、冬から春にかけてが流行しやすいと言われています。成人の40-60%は抗体を持っています。
実験によると、感染して7-11日御に風邪症状。さらに感染から17-18日して発疹や関節痛(大人に多い)が見られるようです。
このように、りんご病は無症状か軽い風邪用症状で発症するのでほとんどの方が病院にはかかられません。しばらくして、ほっぺたがりんごのように赤くなり、手足に網の目状の発疹がみられ、ようやくりんご病の診断となります。多少かゆみや関節の痛みを訴える場合もあります。りんご病の特徴は、りんご病という診断(顔が赤くなってから)がついたときには、ひとにはもううつらないということです。人にうつすのは、前述のように発疹が出る前(7日―10日前)です。ですから感染を病御することはできません。さて、りんご病は健康なお子さんや大人にはあまり問題がありません(診断がつけば集団生活は可能)が、血液の病気を持っている方(球状赤血球症など)や胎児には問題が起こります。
血液疾患のある方は貧血が強くなったりします。また、妊婦さんがりんご病に感染すれば、ときに胎児に感染して重症な貧血を起こし胎児水腫(心不全により起こる)や流産となる可能性が有ります。ですから、流行期には妊婦さんはハラハラです。妊婦さんがりんご病になったとき、胎児が感染する可能性は30%ほど、感染して胎児水腫や流産する可能性は30%くらいとなります。 では、妊婦さんはどうしたらよいのかという問題ですが。自分はかかったことがないという方は、先ずは血液検査をお勧めします。りんご病はパルボウイルス19によって起こる病気なので、その抗体(IgM抗体とIgG抗体)を調べます。過去にかかったことがある人はパルボウイルス19のIgG抗体が陽性となり、心配はありません。現在感染中の方はIgM抗体が陽性になります。過去も現在も感染していない人は、両方ともが陰性となります。IgM抗体陽性の方は、頻繁に産婦人科で胎児の状況をエコー(胎児の心臓エコーで貧血などをチェックする)で観察してもらいます。IgM抗体陰性のは約2週に一度はIgMの検査及び胎児の状況を産婦人科で観察してもらいます。前述したように、お母さんの感染があっても胎児には30%の感染となり、さらにその30%が問題になると言う確率です。胎児水腫になれば胎児輸血という方法もあります。
なおこの病気は先天性奇形は起こさないと言われています。

平成28年1月25日 院長
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