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子どものメタボリック症候群

きのした小児科です。4月からめたボリック症候群検診が成人で導入されました。以前、ニュースレターで子どもにもメタボリック症候群があることをお知らせしましたが、あらためて、ここで再度おさらいしておきましょうか?
日本人の三大死因は「癌」「心臓病」「脳血管障害」です。「心臓病」と「脳血管障害」は、場所さえ違えど同じ血管の病気(動脈硬化)によって引き起こされています。なんとこの「心臓病」と「脳血管障害」の死亡率を合計すると30%を占めているのです。要するに3人に一人は血管の病気(動脈硬化)が原因で亡くなっています。この動脈硬化を引き起こす危険因子には、肥満ぎみ、血清脂質の異常(コレステロールが高い、善玉コレステロールが低いなど)、血圧が高い、空腹時の血糖が高いなどがあります。これらがいくら軽度であってもいくつも重なれば、動脈硬化のリスクが高くなります。このような病態をメタボリックシンドロームといいます。
動脈硬化の起源はすでに小児期からあると考えられており、実際、小児肥満や成人型(生まれつきではなく食生活の乱れなどから起こる)の糖尿病の頻度が増加しているという現実からみても、メタボリックシンドロームの診断や介入は、成人からでは遅く、小児期から考えなければなりません。
小児期のメタボリックシンドロームの診断基準ですが、最近日本で定められたものでは1)臍まわりが80cm以上もしくは臍まわり÷身長が0.5以上 2)血清脂質異常:トリグリセライド(TG)が120mg/dl以上もしくはHDLコレステロール(善玉)が40mg/dl以下 3)血圧異常:収縮期血圧が125以上もしくは拡張期血圧が70以上 4)空腹時血糖:100mg/dl以上 のうち1)を必須として2)、3)、4)のうち2つ以上がある場合をメタボリックシンドロームと診断します。
現在、日本人小児のメタボリックシンドロームは、健常児の学童の1-4%、肥満児を検査した場合15-20%存在しています。これらの子どもたちを放っておけば将来もっと「心臓病」「脳血管障害」は増加し死亡率も増加してゆくことになります。とにかく小児期からの介入が不可欠であることがお分かりかと思います。まず、肥満をなくすことが最大の目標かと思われます。とにかく「臍まわりは身長の半分以下があなたの命を守ります」を肝に銘じましょう!臍まわりを計って、それが身長の半分以上のお子さんは一度、病院で検査を受けることをお勧めします。私が相談に乗りますのでどうぞご来院ください。
ちなみに成人のメタボリックシンドロームの診断基準は1)臍まわりが男85cm以上、女90cm以上 2)トリグリセライド(TG)が150mg/dl以上もしくはHDLコレステロールが40mg/dl以下 3)血圧異常:収縮期血圧が130以上もしくは拡張期血圧が85以上 4)空腹時血糖:110mg/dl以上 1)が必須で2)、3)、4)の2つ以上がある場合を診断します。おとうさん、おかあさんも気をつけてくださいね!!私は、今のところなんとかセーフです。

平成20年4月1日 院長
院長コラム
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