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鉄欠乏性貧血

小児の貧血のうち栄養性貧血は最も多く遭遇しそしてその大部分が鉄欠乏性貧血です。病態は、鉄が不足するとまず、肝臓にある貯蔵鉄(フェリチン)が減少し、身体中の組織にある鉄が不足してくると血液上の貧血が現れます。
この貧血を治療していく上で、まず血液中の貧血がよくなりますが、貯蔵鉄や組織の鉄が補われるまで治療が必要となります。

1)乳児期の鉄欠乏性貧血
母体から鉄が胎児に移行するのは妊娠後期約3ヶ月Yであるため、早産児や低出生体重児では鉄の移行が不十分で、生後4-5ヶ月頃に鉄欠乏性貧血(未熟児後期貧血)を起こしやすくなります。
また、母乳栄養児で離乳食がすすまないお子さんは、ミルクに比べて母乳は鉄の吸収は良いのですが濃度が低いため鉄欠乏性貧血を起こしやすくなります。鉄欠乏性貧血を放っておくと言語理解や発語の遅れなどの中枢神経の発達に影響を及ぼすことも知られています。

2)幼児期、学童期の鉄欠乏性貧血
この時期の貧血の頻度は高くありませんが、食事で鉄が取れていない食事性の貧血以外に、消化管の異常などで貧血を起こす場合があります。また、牛乳の飲み過ぎによる牛乳貧血も見られます。

3)思春期の鉄欠乏性貧血
急激な身体の成長、無理なダイエット、不規則な生活、女児では月経などのため思春期は再び鉄欠乏性貧血を起こしやすい時期となります。また、スポーツによる貧血も見られます。このスポーツ貧血は、運動時に足底でで赤血球が破壊され、鉄が汗や尿から排泄されることにより起こると考えられています。また、ヘリコバクターピロリ菌による鉄欠乏性貧血も見られます。多くは腹部症状がないため、医師が積極的に調べないとわからないケースがあります。

以上、年齢別による鉄欠乏性貧血のメカニズムを説明いたしました。もし気になる症状があれば、病院を受診して下さい。

平成28年9月21日 院長
院長コラム
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