花粉症の注射(ゾレア)治療について
スギ花粉症の注射(ゾレア)治療について
花粉症は、生活に支障が出るくらい辛い病気です。今の所、抗アレルギー剤や点眼、点鼻で対症予防治療するのが一般的です。これは根治薬ではありません。
今根治薬として、存在するのは、舌下剤による減感作療法があります。しかし、この薬はスギの季節にかかわらず、毎日飲む必要があります。効果が出るまでは差があるようですが最低2年以上は続ける必要があり、効果があってもさらに2−3年は続けます。
それに対して、最近、注射(ゾレア)による治療ができるようになりました。
ゾレアの利点は、1)スギ花粉の時期に月に1−2回、皮下注射をするだけ。2)直ちにアレルギー反応を起こさないようにできる。3)舌下免疫療法に比べると副作用に心配が少ない。欠点は、1)高額である。2)毎シーズン必要である。
有効性は、舌下免疫療法、ゾレア注射とも80%とほどんど変わりません。
舌下免疫療法は、スギの成分を毎日少しずつ与えてゆき、スギに対する免疫をつけて行く方法です。ゾレア注射は、アレルギーの元となるIgEを減少させる注射です。スギが入ってくるとスギに対するIgEが体で産生され、それがスギと反応するとアレルギーを起こしてしまうのですが、そのIgE自体を減らしてしまい、反応が起こらないようにする薬です。ちなみに、抗アレルギー剤は、スギとIgEが反応した時に起こるスタミン発生を抑制する薬です。
ゾレア注射は、受けることのできる対象者の条件が厳密に設けられています。
1) スギ花粉症に対するIgE抗体がクラス3以上
2) 12歳以上で体重および総IgE量が条件を満たしている場合
3) 抗アレルギー剤や点鼻薬などで効果が得られない場合
などです。
しかし一番の問題は高額ということです!
これは総IgE値によって違います。総IgE値が低ければ安く、高ければ、薬の量も増えるので高額になります。1ヶ月3割負担で7088円から111576円と10万円を超える場合もあります。
今までの薬では、どうしようもない方は選択肢のひとつになりえますが、、、まずは、IgEの値を測ってから考えるということになりますね。
令和2年2月14日