子どもの睡眠
子どもの睡眠
脳の発達にはREM睡眠が必要
睡眠には、REM(Rapid Eye Movement : active sleep):レム睡眠(寝ている時に目が急速に動く)とNON-REM( Non-REM : quiet sleep:ノンレム睡眠(目が動かない睡眠)およびその中間の3つの睡眠があります。
REM睡眠中は、急速に目が動く他に、呼吸や心拍数も変動し、体動も活発で、夢をみるのはこの時期だと言われています。一方、non-REM睡眠は、呼吸や心拍数、体動も少なく、静かな眠りの時期です。
REM睡眠とnon-REM睡眠は、睡眠中にある一定のサイクルを持って繰り返します。そのサイクルが出現するのは、在胎21週頃の胎児からみられ、REM睡眠の割合は早産児ほど多いようです。脳の代謝や脳の血流は、REM睡眠中に増加していることから、脳の発達にはREM睡眠が重要と考えられています。
睡眠とメラトニン
睡眠のリズムは、網膜に入った光刺激により脳内のメラトニンの増減に影響を受けます。このメラトニンは光を感じると減少し、暗くなると増加することが知られています。メラトニンは睡眠を誘導させる働きがあるので、夜間に増加し眠たくなり、昼間に減少し覚醒するといリズムが出来てきます。妊娠中は母親からのメラトニンの影響を受けるため、睡眠のリズムも母親と同じになります。ただしメラトニンとREM睡眠やnon-REM睡眠は無関係と言われています。
新生児の睡眠
出産後は母乳中にもメラトニンが含まれるため、母乳栄養児は、母親のメラトニンの影響を受け、より良い睡眠のリズムを作りやすいと言われています。3ヶ月頃になると自身のメラトニンも形成されるようになり次第に睡眠のパターンも安定してきます。前述したように脳の発達にはREM睡眠が必要であり、REM睡眠は新生児に比率が多く、年齢とともに減少します。
1−4ヶ月の睡眠(夜に5時間ほど、まとめて寝るれるようになるのは4ヶ月頃)
生後1ヶ月半頃から睡眠と覚醒の持続時間が長くなります、それらが徐々に集まりだして、昼目覚めている時間が長くなり、夜5時間以上眠るようになってきます。これは、前述したメラトニンの影響によるものです。それまでは、寝たり起きたりの繰り返しが続きます。赤ちゃんは、まとめて眠れないのが当然なのです。
4−6ヶ月の睡眠
生後4ヶ月を過ぎると、メラトニンの影響により睡眠、覚醒のリズムがしっかりしてきます。睡眠開始はnon-REM睡眠から始まり、睡眠の後半にREM睡眠の比率が大きくなります。
6−9ヶ月の睡眠
離乳食も始まり、光刺激以外に食事という新しい活動が加わることにより、さらに昼間の活動が飛躍的に向上し、夜間の睡眠時間は11時間と増え、昼寝は3回ほどと減ってゆきます。
9ヶ月−1歳半までの睡眠
この頃になると昼寝は2回、1−2時間くらいとなり昼寝のリズムが整ってきます。
幼児期の睡眠
2歳お嬢では、non-REM睡眠とREM睡眠の区別が明瞭となり、non-REM睡眠に続いてREM睡眠が現れる睡眠サイクルが完成します。
REM睡眠は、3歳で20−25%、5−6歳で大人同様の20%ぐらいとなります。Non-REM睡眠は8時間前後になります。
子どもの平均睡眠時間
4カ月~12カ月:1日12時間~16時間
1歳~2歳:1日11時間~14時間
3歳~5歳:1日10時間~13時間
6歳~12歳:9~12時間
13~18歳:8~10時間
令和2年1月31日