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院長コラム
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夏に流行るエンテロウイルス感染症について
夏に流行るエンテロウイルス感染症について
今回は夏場に流行る病気を紹介致します。
病気によっては季節によって流行する病気がみられます。例えば、冬にはやる病気の代表はインフルエンザです。インフルエンザウイルスは寒くて乾燥したところで生き延びます。これとは反対に温暖なところが好きなエンテロウイルス群が夏場に猛威をふるいます。このエンテロウイルスに属するウイルスによる病気で「急な発熱」、「手足口病」、「ヘルパンギーナ」が代表的ですが、「無菌性髄膜炎」、「心筋炎」、「急性出血性結膜炎」などもみられます。このエンテロウイルスは何種類ものウイルスがあり、「手足口病」や「ヘルパンギーナ」も何回もかかります。エンテロウイルス群の潜伏期間は3-6日、症状がなくても感染させる期間は1-3週間と隔離が難しい病気です。感染経路は飛沫や便からの感染のため、手洗いうがいが大切です。
病気によっては季節によって流行する病気がみられます。例えば、冬にはやる病気の代表はインフルエンザです。インフルエンザウイルスは寒くて乾燥したところで生き延びます。これとは反対に温暖なところが好きなエンテロウイルス群が夏場に猛威をふるいます。このエンテロウイルスに属するウイルスによる病気で「急な発熱」、「手足口病」、「ヘルパンギーナ」が代表的ですが、「無菌性髄膜炎」、「心筋炎」、「急性出血性結膜炎」などもみられます。このエンテロウイルスは何種類ものウイルスがあり、「手足口病」や「ヘルパンギーナ」も何回もかかります。エンテロウイルス群の潜伏期間は3-6日、症状がなくても感染させる期間は1-3週間と隔離が難しい病気です。感染経路は飛沫や便からの感染のため、手洗いうがいが大切です。
急な発熱
急な発熱は40度近く上がることもしばしばです。熱以外の症状としては胃腸症状や咳鼻水などのかぜ様症状、気管支炎、クループ様症状、喉の痛み、倦怠感、頭痛、筋肉痛などが見られます。発疹はエコーウイルス、エンテロウイルス71(すべてエンテロウイルス群)などが多いといわれています。発熱はいったん下がった発熱が1日おいてまた上がってくるような二相性であったりすることもあります。発熱は1-7日と幅が広いです。
手足口病
エンテロウイルス群の中でもコクサッキーウイルス(何種類もあります)やエンテロウイルス71などで起こります。発熱はなかったり、軽い場合が多いですが39度を超える高熱も見られることがあります。口内炎、手のひら、足の裏、ひざ、おしりなどに水泡様の発疹がでます。口内炎は口の中のどこにでもできることがおおいです。また最初はヘルパンギーナ(喉ちんこの脇に口内炎ができる)と言われることもありますが、2-3日すると手足の発疹が出て1週間ほど続きます。ときにエンテロウイルス71による手足口病は髄膜炎を合併しやすいので熱が高く、頭を痛がったり、吐いてぐったりするような場合は注意が必要です。早く良くなる治療薬はありません。集団生活は手足にぶつぶつがあっても、熱もなく、口の中も痛がらず食欲もあり元気なら良いでしょう。厳密な登園登校禁止期間はありません。
ヘルパンギーナ
急な発熱と喉の痛みで発症します。喉ちんこの脇や扁桃にかけて口内炎がみられます。熱は1-4日ほど続きます。2-3日後に手や足に発疹が出れば「手足口病」という診断に変わります。診断が変わってもとくにお薬が必要な訳ではありません。ほとんどがコクサッキーウイルス(何種類もあります)によって起こります。集団生活復帰の目安は手足口病と同じです。
無菌性髄膜炎
コクサッキーウイルス、エコーウイルス、エンテロウイルス71、70などのエンテロウイルス群でおこります。症状は発熱、頭痛、嘔吐です。夏場に発熱が続き、激しい頭痛が見られる場合は、この病気の可能性があります。細菌性髄膜炎と違って、外来で治ったり数日の入院で軽快する場合がほとんどです。
心筋炎
コクサッキーウイルスによって起こることがあります。滅多にない病気ですが、かかると生命的な危険があります。突然死することもあり発見が難しいですが、比較的軽少な例では胸痛、呼吸困難などで発見されることがあります。
急性出血性結膜炎
エンテロウイルス70とコクサッキーウイルスA24が主な原因です。流行は目→手→媒介物→目といった伝播経路をとります。10代以上の青少年にみられます。結膜の出血、まぶしさ、涙目、眼瞼の腫れなどが見られます。はやり目(アデノウイルス)や普通の結膜炎との鑑別が必要です。
以上、エンテロウイルス感染症の主な症状を列記しましたが、いろいろな臓器に炎症をもたらします。一度かかっても何種類も似たウイルスがいますので何度もかかることがあります。とくに手足口病やヘルパンギーナ(ホームページの「子どもの病気」を参照してください。写真がついています。)は外来でもしょっちゅう見かける病気ですね。どうぞ参考にしてください。
平成21年7月10日 きのした小児科 院長