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おたふく風邪と難聴

おたふく風邪による「難聴のお話」です。

おたふくかぜをあなどってはいけません!
早く、自然にかかっておこうなどといい加減なことを考えていると一生後悔します!
それは、おたふく風邪に自然にかかると、片方の耳が一生聞こえなくなる場合があるからです。当医院でもここ1年で2例のおたふく風邪による難聴を経験しました。親御さんの落胆は計り知れないものがありました。

おたふく風邪による難聴の特徴は、?おたふくかぜの発症4日前から発症18日後の間に起こります。?片側の耳がほとんど聞こえなくなります。?有効な治療法がなく自然治癒も難しい、の三点です。
従来、おたふくかぜにかかった1.5~2万人に1人の頻度とされていましたが、日本における疫学調査により、その10倍以上高率に起こるであろうことが明らかにされました(400~1,000人に1人)。また、15歳以下、特に5~9歳の患者に発症しやすいといわれています。後天性難聴の原因として第一位です。当医院でも、ここ1年で2例の難聴を経験しております。親御さんは、予防接種をしていなかったことを非常に後悔されていました。
また、おたふく風邪は不顕性感染といって、かかっても症状が出ない人もいます。その中にも、耳が聞こえなくなって、おたふく風邪の抗体を調べると陽性であったという例もあります。
保護者の方々には、おたふくかぜに「自然にかかればよい」という認識を捨てていただき、そして真に怖い合併症は髄膜炎や睾丸炎よりも難聴であると言うこと。さらに、おたふく風邪ワクチンが唯一の防衛手段であるということを認識していただきたいと思います。
わが国では、おたふくかぜワクチンの接種率が30%台と低く、年中どこかでおたふくかぜが流行しています。そのため、ワクチンを接種したにも関わらず、おたふくかぜにかかることが少なくありません。免疫を早期につけ確実に長持ちさせるために、ワクチンを1歳時と就学前の2回、MRワクチンと同時に接種することがお勧めいたします。
院長コラム
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