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嘔吐下痢症(ウイルス性胃腸炎)

どんな病気

ウイルスによっておこる、吐いたり下痢したりする病気で、ウイルスの種類によって、吐くだけですんだり、中には高熱がでたりするものもあります。秋から冬にかけてノロウイルスが広がり、春になってロタウイルスによる胃腸炎が広まります。
いきなり吐くことからはじまります。吐き気だけで終わることもありますが、その後、下痢をしたり、熱が出ることもあります。吐くのは1日以内に止まることが多い(ノロウイルスなど)ですが、ロタウイルスによる嘔吐下痢症の場合は、3日ほど吐き気がつづいたり、高熱が出たり、白っぽい下痢が1週間ほどつづきます。

治療は

早く良くなるくすりは、今のところありません。吐き気は12時間ほど続くことが多く、水分(病院で処方できるソリタT3顆粒を白湯で溶かした液、アクアソリタ、OS1などの経口補水液)を20mlを10分ごとに与え、吐き気が遠ざかるのを待ちながら脱水を防ぎます。下痢に対してはウイルスによって治るまでの長さが異なります。吐き気が止まった後は、水分を多く取り、和食や和菓子などを与えて良いでしょう。嘔吐や下痢を早く良くするお薬はなく、むしろ、人間の生理的現象で起こっている嘔吐や下痢は抑えることはしません。吐き気には吐き気止め、下痢には整腸剤というおきまりのお薬は、今では効果がないと言われています。熱に対しては解熱剤をつかっても良いでしょう。ウイルスの種類によっては、治療もほとんどいらないものから、点滴が必要になるようなもの(たとえばロタウイルス胃腸炎で症状が強い場合など)までいろいろあります。

家で気をつけること

吐き気が強いときは、しばらく与えるのをやめます。水分を欲しがれば、ソリタT3顆粒、アクアソリタやOS1などの経口補水液を少しずつ(たとえば10分ごとに20mlづつほど)与えます。吐き気もおさまり下痢だけになれば、水分は欲しがるだけあげてください。また食事も便の様子をみながら、消化の良いものを与えます。乳製品をやめて、和食、和菓子にしてください。
お風呂は、吐き気や下痢がひどいときは控えます。おしりは下痢のためにかぶれがひどくなることがあるので、まめに洗ってあげましょう。食欲も出て元気になればお風呂はかまいません。

こんなときは早めの受診を

病院から帰っても吐き続けて元気がなくなったとき、ぐったりし顔色もわるいとき。
注)嘔吐下痢症とは症状からの病名で、ウイルス性の胃腸炎をさす言葉ですが、食中毒によっても吐いたり下痢したりする(細菌性)ことがありますので、夏場はとくにこの病気との区別が必要です。細菌性(胃)腸炎の場合は、腹痛が強かったり、粘液状の便や血便がでたり、高熱もみられ治療も多少違ってきます。

下痢したときの対処

乳児の下痢の対処;母乳の場合は制限をしません。ミルクの場合は、ミルクの中に含まれる乳糖が下痢をひどくさせる働きがありますので、乳糖を取り除いた、ラクトレスミルク、ノンラクトや大豆乳であるボンラクト、ソーヤーミールなどに変更してみます。詳しくは主治医と相談してください。
離乳食を食べていお子さんの場合は、下痢がひどいときは、野菜スープ、スポーツ飲料、味噌汁のうわずみ、りんごのすりなど。下痢が良くなってきたら、豆腐、パン粥、おかゆ、にんじん、かぼちゃの煮つぶし、煮込みうどん、、白身の魚の煮付けなどを与えても良いでしょう。和食がベースになります。

幼児の下痢の対処

牛乳、チーズなどの乳製品、冷たい飲み物、油っこいもの、チョコレート、みかん、いちなど消化の悪いものは避けてください。便の状態をみながら、水様性の下痢の場合は、スープ、味噌汁、スポーツドリンク、おかゆなどをあたえます。便がだんだん硬くなってくればそれに応じて、白身の魚の煮付け、うどん、おじやなどを加えても良いでしょう。とにかく和食、和菓子と考えれば簡単です。
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