今はやりの病気 3月7日号
☆ 福岡県全体の感染症サーベイランスの情報です。(平成30年2月19日-2月25日)。インフルエンザは減っています。
☆ インフルエンザ(3996名)、感染性胃腸炎(818名)、溶連菌感染症(470名)、RSウイルス感染症(110名)、アデノウイルス感染症(51名)、手足口病(31名)、水ぼうそう(30名)、おたふくかぜ(21名)、マイコプラズマ肺炎(9名)、ヘルパンギーナ(3名)、りんご病(2名)、百日咳(1名)、でした。麻疹は0名、風疹は0名となっています。
☆次に、当医院を受診された小郡近辺のはやりの病気の報告(2月26日〜3月3日)をいたします。インフルエンザは減って、ヒトメタウイルス感染症が増えています。
1)インフルエンザの患者さん。
56名(先週)→18名(今週)の方が見えられました。すばる保育園、カトリック幼稚園、小郡小、本郷小など
2)ヒトメタニウモウイルス感染症
16名の患者さんがみえました。御原保育園、すばる保育園、さくら乳児園、アスター幼稚園、小郡中央保育園分園、東野小など
✳︎ヒトメタニウモウイルスとはどんな病気か:3月ごろになると流行する風邪の一つです。ほとんどが2−10歳までに感染しますが、何度も感染します。特に最初の感染では、1−2歳が多く、発熱、咳が目立ちます。2回目以降は、普通の風邪として検査されることはなくなります。熱が出ない人、1−2週間は感染力があることから、集団における拡大防止のための方法がなく、学校法でも登園禁止に関しては、本人の状態が良くなれば良い(本人次第)ことになっています。典型的には43−5日発熱が続き、咳も痰が絡むようなひどい咳になりやすいです。早期に良くなる薬はなく、対症療法にて経過をみることになります(風邪と一緒です)。稀に肺炎、乳児では呼吸困難となることがありますが大半は風邪と同じように治ってゆきます。流行が見られる保育園などで、発熱、咳が見られる人に、すぐに検査する必要はなく(早く直す薬がないため)インフルエンザやRSウイルスでもなく発熱が3日以上続き咳もひどい場合に検査をすれば良いでしょう。あまり早期に、積極的に検査をする必要はありません。
3)溶連菌感染症。
15名の患者さんがみえました。アスター幼稚園、本郷保育園、三井幼稚園、すばる保育園、御原保育園、本郷小などで見られています。
4)次に嘔吐下痢症が見られます。
ほとんどが軽症で、ノロウイルス、カルシウイルスなどの小円形細胞型ウイルスかと思われます。2−3日で治ります。吐いてお腹を痛がらない場合は大半がこれだとおもわれます。経口補水液(アクアソリタ、OS1などを20mlを10分間隔で与えて脱水を防ぎます。そのうち吐き気が治まります(6−12時間)ので、はかなくなって4−5時間経ってから水分を多めにあげたり、うどんや、塩付きおにぎりなどをあげてください。吐き気止めや整腸剤はほとんど効果はありません。経口補水法が唯一の治療といえます。
5)つぎにアデノウイルス感染症の方が見えています
4名:いろはこども園、味坂保育園、海の星保育園など。
平成30年3月7日