今はやりの病気 2月18日号
インフルエンザのピークは過ぎましたが、まだまだ多いです。
☆ 福岡県全体の感染症サーベイランスの情報です。(平成30年2月5日-2月11日)。
☆ インフルエンザ(10450名)、感染性胃腸炎(750名)、溶連菌感染症(388名)、水ぼうそう(24名)、RSウイルス感染症(83名)、手足口病(44名)、アデノウイルス感染症(31名)、おたふくかぜ(25名)、マイコプラズマ肺炎(14名)、りんご病(6名)、ヘルパンギーナ(4名)、百日咳(2名)、でした。麻疹は0名、風疹は0名となっています。
☆次に、当医院を受診された小郡近辺のはやりの病気の報告(2月13日〜2月17日)をいたします。インフルエンザはピークを過ぎましたがまだ見られています。溶連菌は減ってきています。RSウイルス感染症やヒトメタウイルス感染症が見られます。
1)インフルエンザの患者さん。
182(先々週)→115(先週)→56名(今週)の方が見えられました。減っては来ていますが、いろんな園や学校で見られています。B型の方が多いようです。抗インフルエンザ剤の効果ですが、A型にはかなり早く効果が見られますが、B型への効果はあまり効果的でない場合も多いようです。一旦下がった熱が再度2−3日続いたりして、計3−6日くらい出たり下がったりする傾向にあります。
☆インフルエンザにかかっても、微熱、咳鼻水だけ、無症状の方も存在します。兄弟がインフルエンザだからとか、咳鼻水が出るからとか、元気はあるが微熱だからとかで、積極的にインフルエンザかどうかを調べることは、本人のため、園や集団生活をしている他のお子さんたちへの予防にはつながらないと思います。また、インフルエンザのお薬を飲まないと治らないと思っていませんか?お薬によって脳炎や脳症を防ぐことはできません。高熱が続くのを薬によって半日−2日早く下がる可能性があるというだけで、飲まないから治らないということではありません。その辺を、皆様、保育園の関係者の方々どうかご理解ください。
2)溶連菌感染症。
15名の患者さんがみえました。三井幼稚園、海の星保育園、味坂保育園、小郡保育園、小郡カトリック幼稚園などで見られています。3名はインフルエンザとの合併を認めました。
3)次に嘔吐下痢症が見られます。
ほとんどが軽症で、ノロウイルス、カルシウイルスなどの小円形細胞型ウイルスかと思われます。2−3日で治ります。吐いてお腹を痛がらない場合は大半がこれだとおもわれます。経口補水液(アクアソリタ、OS1などを20mlを10分間隔で与えて脱水を防ぎます。そのうち吐き気が治まります(6−12時間)ので、はかなくなって4−5時間経ってから水分を多めにあげたり、うどんや、塩付きおにぎりなどをあげてください。吐き気止めや整腸剤はほとんど効果はありません。経口補水法が唯一の治療といえます。
4)つぎにアデノウイルス感染症の方が見えています
6名:いろはこども園、しらうめ保育園、海の星保育園、ちとせ保育園など。
5)つぎにRSウイルス感染症の方がみられます。
4名:インフルエンザのように発熱、咳が続きます。インフルエンザより咳がひどくなります。
6)ヒトトメタニウモウイルス感染症
3名、東野小、アスター幼稚園などで見られています。発熱と咳が続きます。インフルエンザ、RSウイルス感染症、ヒトメタニウモウイルス感染症の見極めは難しいです。この中で治療があるのはインフルエンザのみで、その他は経過観察となります。ただ、1歳未満の RSウイルス感染症の方は入院が必要になることもあります。
平成30年2月18日