今、はやりの病気 平成29年7月7日
☆福岡県全体の感染症サーベイランスの情報です。(平成29年6月26日-7月2日)。手足口病、ヘルパンギーナなどの夏風邪などが増えています。溶連菌や胃腸炎は相変わらず多いです。
感染性胃腸炎(933名)、手足口病(609名)、溶連菌感染症(482名)、ヘルパンギーナ(461名)、アデノウイルス感染症(82名)、水ぼうそう(609名)、おたふくかぜ(45名)、インフルエンザ(30名)、RSウイルス感染症(14名)、マイコプラズマ肺炎(8名)、りんご病(6名)、百日咳(3名)、でした。麻疹は0名、風疹は0名となっています。
☆次に、当医院を受診された小郡近辺のはやりの病気の報告をいたします。
1)まだ溶連菌感染症が一番多いです。
いたるところの、幼稚園、保育園で見られます。熱があり、喉が特徴的な場合のみ検査される病院が多いですが、当医院では、熱がなくても、喉の痛みがなくても、軽い喉の炎症(赤み)で検査をしています。ですから、他院よりもはるかに多い溶連菌が見つかります。逆に、他のところでは見逃している可能性が大いにあります。確かに人間には治る力がありますから、抗生剤を飲まなくても、決められた10日間ではなく3日ほど抗生剤を飲むだけで、治っていく可能性もあります。しかし、すぐ再発したり、不完全な治療によってリウマチ熱という、関節炎や心臓に炎症を起こし入院になることもあります。「風邪でしょう」「喉が赤いですね」で溶連菌感染症の検査なしに、抗生剤を飲むことはお勧めできません。
2)次に多いのは胃腸炎です。
ほぼウイルス性が主ですが、嘔吐だけで終わったり、下痢もして、熱が出る場合もあります。お腹の痛みがある場合やウンチに粘液状のゼリーのようなものや、血液が付く場合は、細菌性下痢症の可能性もありますので、病院にかかるときは必ず、便を持ってくるか、写真を撮ってみせてください。ウイルスの方が多く見られていますが、病原大腸菌などによる細菌性腸炎も見られています。
また、嘔吐の場合は、ナウゼリンという吐き気止めを処方される病院が多いですが、吐き気止めの効果は使わない例との差がないため、欧米では使われていません。当医院でも処方していません。
3)次に多いのは、手足口病やヘルパンギーナです。
どちらも口内炎がでます。普通の口内炎と違って喉の奥だけにできる場合はヘルパンギーナが多く、喉の奥とほっぺたの内側や舌にも口内炎ができるのは手足口病に多いです。発熱は何種類かのウイルスがありますので、出る人は2−3日高熱が出ます。手足口病ではまったくでない場合もあります。
夏場にはやる代表的な病気ですが、発熱→口内炎で終わればヘルパンギーナ。その後、手、膝、足の裏、お尻などにブツブツができれば手足口病といいます。どちらも、治ってからも感染することが知られていますので、熱が下がって元気もあり食欲も普通になれば、集団生活は良いことになっています。移す可能性があるが、見かけ上治っても、うつす可能性はありますが、長く休ませることが、集団生活での流行予防にはつながらないため、厚労省も本人次第でということを示しています。
4)そのつぎは、アデノウイルス感染症(結膜炎:流行り目や扁桃炎タイプ、両方:プール熱)が見られます。