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5−11歳の新型コロナワクチンの考え方:日本小児科学会(令和4年1月19日)

1. 感染状況とワクチンに関する知見

1)  国内における5~11歳の新型コロナウイルス感染症(以下、COVID-19)症例の大多数は軽症ですが、感染率が同年代人口の 1~2%にとどまるなかでも、酸素投与などを必要とする中等症例は散発的に報告されています 。今後、全年齢において感染者数が増加した場合には、ワクチン未接種の小児が占める割合が増加し、小児の中等症や重症例が増えることが予想されます。

2)  2歳未満(0~1歳)と基礎疾患のある小児患者において重症化リスクが増大することが報告されています 。

3)  長期化する流行による行動制限が小児に与える直接的および間接的な影響は大きくなっていま す。

4)  国内で5~11歳を対象とする接種への承認申請が出されているワクチンは、現時点ではファイ ザー社製のみです。同ワクチンは従来のワクチンと比べ含有される mRNA 量が 1/3 の製剤で、 使用に際し注意が必要です。海外では、5~11 歳の小児に対する同ワクチンの発症予防効果が 90%以上と報告されていますが、新しい変異ウイルス(オミクロン株など)への有効性を示 すデータは十分に得られていません。

5)  米国では、2021年11月3日~12月19日までに5~11歳の小児に約870万回のファイザー社 製ワクチンが接種され、42,504 人が自発的な健康状況調査(v-safe)に登録されました。2 回接 種後、局所反応が 57.5%、全身反応が 40.9%に認められ、発熱は 1 回目接種後 7.9%、2 回目 接種後13.4%に認められました 。

6) 上記と同期間に、米国の予防接種安全性監視システム(VAERS)には、4,249 件の副反応疑い報告がありました。このうち97.6%(4,149件)が非重篤でした 。重篤として報告された100件(2.4%)の中で最も多かったのが発熱(29件)でした 。11件が心筋炎と判断されましたが、 全員が回復しました 。

7) 5~11歳の小児では16~25歳の人と比べて一般的に接種後の副反応症状の出現頻度は低かったと報告されています 。

2. ワクチン接種の考え方

1)  子どもをCOVID-19から守るためには、周囲の成人(子どもに関わる業務従事者等)への新型コロナワクチン接種が重要です。

2)  基礎疾患のある子どもへのワクチン接種により、COVID-19の重症化を防ぐことが期待されます。基礎疾患を有する子どもへのワクチン接種については、本人の健康状況をよく把握している主治医と養育者との間で、接種後の体調管理等を事前に相談することが望ましいと考えます。

3)  5~11歳の健康な子どもへのワクチン接種は12歳以上の健康な子どもへのワクチン接種と同様に意義があると考えています。健康な子どもへのワクチン接種には、メリット(発症予防等) とデメリット(副反応等)を本人と養育者が十分理解し、接種前・中・後にきめ細やかな対応が必要です。

4)  接種にあたっては、接種対象年齢による製剤(12歳以上用と5~11歳用のワクチンでは、製剤・希釈方法・接種量が異なります)の取り扱いに注意が必要と考えます。また、集団接種を実施する場合においても、個別接種に準じて、接種前の問診と診察を丁寧に行い、定期接種ワクチンと同様の方法で実施することが望ましいです。

以上、日本小児科学会より

コロナワクチンについて
5−11歳コロナワクチンに関する知見 日小児科学会 3月16日(改訂版)
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